筋力トレーニングでのプログラム作成の基本と注意点
更新日:4月7日
「筋力トレーニングを始めよう!」と決意された方がまず悩むのは、「何をしたらいいの?」「どのくらいやればいいの?」ということではないでしょうか?
健康維持や、スタイルの改善のために、筋力トレーニングは欠かせないもの。ジムに通ってプロのトレーナーに習えば確実ではありますが、費用がかかってしまいますし、まずは自分で運動習慣をつけたいとお考えの方も多いと思います。ご自身で筋力トレーニングを進めていく場合でも、しっかり効果を得るためには、闇雲にトレーニングをしてはいけません。
今回は、筋力トレーニングのプログラムを考える上での基本と注意点、具体的なプログラムの例をご紹介します。
プログラム作成のポイントと注意点
まずは、自分に合ったプログラムを作る上でのポイントと注意点をご紹介します。
①目標の設定
目標は、段階的に高めていくのがおすすめです。ご自身の状態に合った目標を設定するのが、挫折せずに続けるコツ。
最終的には「10kg痩せる」が目標だとしても、その目標を達成するには数か月かかります。1か月ごとなど、こまめに目標を立て、最終的な目標に向かっていくようにしましょう。
「最終的になりたい目標」と「トレーニング内容の目標」の2つを設定してみましょう。
<最終的になりたい目標の例>
・10kg痩せる
・3階まで階段で上り下りしても疲れないようになる
・キツくなったズボンを履けるようになる
<トレーニング内容の例>
・週に1回以上トレーニングをする
・スクワットは毎週やる
「全然効果が出ないから、意味がない」と挫折した経験がある方もいるでしょう。そこで、トレーニング内容について目標を立てることが大切になります。「目標通り、週に1回以上できているな」「今度は週に2回できそうだ」というように、進歩がわかるため、自信につながりやすくなります。
ご自宅のカレンダーに印をつけて目につくようにしたり、「今日はスクワットをしたよ」「今週はもう2回トレーニングできてるよ」と、家族や友人に報告したりしてみましょう。トレーニングを続けるモチベーションを維持しやすくなりますよ。
②全身をバランス良く鍛える
トレーニングプログラムは、体のいろいろな筋肉を均等に鍛えられるように構成しましょう。足ばかり、腕ばかりではなく、胸、背中、腕、お腹、足とまんべんなく筋肉を使うことが大切です。
一部分だけを重点的に鍛えると、体のバランスが悪くなってしまい、怪我などの原因になることがあります。
老化に抗いたい、足腰を元気に保ちたいという方は、姿勢の維持に重要な「抗重力筋」を意識してみてください。加齢に伴い、抗重力筋から衰えてくることがわかっています。
全身のトレーニングをしつつ、抗重力筋のトレーニングを少し多めにするとよいでしょう。
③適切な頻度でトレーニングする
筋力トレーニングは、「毎日おこなった方がよさそうだ」と感じるかもしれませんが、じつは休息を挟むことが大切です。
筋肉は、トレーニングで負荷をかけると部分的にダメージを受けます。ダメージを回復させるときに、筋肉の繊維は少し太くなり、これを繰り返すことで筋肉が大きくなる、というのが筋力トレーニングのメカニズムです。つまり、ダメージを回復させる期間をとることが大切になります。
目安として、ある部位のトレーニングをおこなったら、その部位は2日ほど休ませるようにしてください。曜日ごとに鍛える部位を決めておこなうとよいでしょう。
トレーニングの強度は、目標に応じて調整します。初心者は軽い負荷でも、しっかり繰り返しておこなうことが大切です。慣れてきたら、負荷を大きくしてトレーニングをおこないましょう。
④ウォームアップとクールダウンをしっかりと
筋力トレーニングに取り掛かる前に、ウォーミングアップ(準備運動)からおこないましょう。ウォーミングアップにより、全身に血液がいきわたって筋肉が温まるため、ケガの予防に繋がるほか、トレーニングの効率もアップします。
ウォーミングアップとしては、有酸素運動がおすすめです。有酸素運動は「呼吸をしながら時間をかけておこなう運動」を指します。10〜15分間ほど、ウォーキングや足踏み運動、軽いジョギング、ラジオ体操などをおこなってみましょう。
体が温まり、少し汗ばんできたり、軽く息が上がったりしたら、準備ができているサインです。
筋力トレーニングの後は、筋肉が緊張状態です。ストレッチをおこない、しっかりほぐしてあげましょう。
疲労回復を早めたり、筋肉痛をやわらげたりする効果が得られます。深呼吸をしながら、ゆっくりと体を伸ばしてください。体の反動を使って無理に伸ばすのではなく、痛みが出ない程度に優しくおこなうので十分です。
プログラムの例
では、具体的にどのようなプログラムをおこなうとよいか、一例を挙げてみます。今回は、運動習慣のない中高年以上の方におすすめのプログラムを紹介しますので、「もっとできる」という方は負荷を増やしておこなってみてください。
はじめからこの通りにできなくても大丈夫。週に1〜2回・1日10分程度でも、始めることが大切ですよ。
毎日おこなう:ウォーキング
毎日おこなう基本的な運動として、ウォーキングをおすすめします。「ウォーキングのための時間」をとれなくても、日常生活を送りながらの「スキマ歩き」で問題ありません。
1日8,000歩を目安に、歩数を伸ばしていきましょう。ほとんど歩いていない方は、急に8,000歩を目指すと疲れてしまうかもしれません。今よりプラス1,000歩から、少しずつ増やしていくとよいです。
月曜・木曜:スクワット
足腰の筋肉、姿勢を維持する筋肉を鍛えるため、週に2回〜3回、スクワットをおこないましょう。
<初心者向け:基本のスクワット>
・イスの背もたれをつかみ、まっすぐに立ちます。足は肩幅に広げます。
・3秒かけてゆっくりと、腰を落とします。このとき、膝がつま先よりも前に出ないよう意識してください。
・腰を落とした姿勢で1秒キープし、また3秒かけて元の姿勢に戻ります。
【10回繰り返す】
※体力に自信のある方はイスの背もたれを掴まず、腕を胸の前で組んでおこないましょう。
<中級者向け:薪割りスクワット>
・足を肩幅に広げて立ち、腕を前に伸ばして組みます。
・息を吐きながら、ゆっくりと膝の高さまで腰を落とし、姿勢をキープします。
・姿勢をキープしたまま、組んだ腕をゆっくりと5〜10回上げ下げします。薪を割るような動きです。
【はじめは5回、慣れてきたら10〜15回繰り返す】
水曜:腕立てふせ
胸や腕の筋肉を鍛える「腕立てふせ」に挑戦しましょう。苦手意識のある方も多いと思いますので、初心者向けに簡単なやり方をお伝えします。
<初心者向け:壁ドン腕立て>
・腕を軽く伸ばして、指先が壁につくくらいの距離に立ちます。
・肩の高さよりも少し下の位置に、両手をついてください。
・背筋を伸ばしたまま、体を一直線に保って、肘の曲げ伸ばしをおこないます。3秒かけてゆっくり肘を曲げ、3秒かけてゆっくり肘を伸ばします。
【10回繰り返す】
土曜:背中起こし
腹筋を中心に鍛える「背中起こし」をおこなってみましょう。
<初心者向け:クッション背中起こし>
腹筋運動を、軽い負荷でおこなえるよう工夫したトレーニングです。腹筋運動が苦なくできる方は、通常の腹筋運動で問題ありません。
・床に仰向けになり、肩から背中にかけての部分に枕やクッションを入れます。
・両足は肩幅程度に開いて膝を立て、腕は胸の位置でクロスさせます。
・息を吐きながら、ゆっくりと背中を起こします。起こせる位置まででかまいません。
・ゆっくりと元の姿勢に戻ります。勢いで戻らないことが大切です。
【はじめは5回、慣れてきたら10〜20回繰り返す】
慣れてきたら、クッションを外して挑戦しましょう。
まとめ
今回は、「筋力トレーニングを始めてみよう!」と思う方が困りやすい、トレーニングの適切なやり方、プログラムの作成のコツについて解説しました。
初心者向けに、1週間のプログラム例もご紹介しましたので、参考に取り組んでみてください。全くやらないよりも、週に1回でも取り組んでみることが、健康維持への大切な第一歩となります。
ぜひ、日常に筋力トレーニングを取り入れてみましょう。
健幸アンバサダー養成講座 オンライン講座のご案内
厚生労働省「健康寿命をのばそう!アワード」で優良賞を受賞したプログラムです。健康でい続けるためには正しい健康情報が不可欠です。いつでも、どこでも、、受講可能なオンライン講座を是非お試しください。詳しくはこちらから。
参考
・厚生労働省 e-ヘルスネット:スクワット
・ロコモオンライン. ロコトレ
・久野譜也 著. 死ぬまで歩ける!7秒筋肉体操
Comments